ドコモ、イベント会場の通信混雑を自動調整する技術を実証|花火大会で効果を確認

花火大会の通信混雑を自動調整 ニュース

情報確認日:2026年11月5日(日本時間)

NTTドコモは11月4日、イベント会場の混雑に合わせて、スマートフォンの接続先を自動調整する実証実験の結果を発表しました。10月17日に大阪府で開催された「第38回なにわ淀川花火大会」で、通信の集中を分散し、混雑時の速度を安定させる効果を確認したとしています。

今回の要点

  • 基地局や周波数帯ごとの混み具合を調べ、余裕のある接続先へ自動で振り分ける仕組みです。
  • 設備対策と自動調整を組み合わせた実証で、混雑時間帯の実測値の中央値は下り約370Mbps、上り約31Mbpsでした。
  • 今後はスタジアムなどへの導入を進め、都市部への展開も検討します。

空いている電波の通り道を活用

花火大会などでは、写真の投稿や動画視聴が同じ時間・場所に集中します。ドコモによると、ある周波数帯が混雑していても、別の周波数帯には余裕が残る場合がありました。周波数帯とは、通信に使う電波の範囲のことです。

今回使ったのは、ノキアの「MantaRay SON」に備わる「MLB」という負荷分散機能です。SONは、通信網の調整などを自動化する仕組みを指します。MLBは基地局や周波数帯の利用状況を継続して確認し、スマートフォンなどの接続先を調整します。

一部に利用が偏る状態を減らし、会場で使える電波を有効に活用することが狙いです。

下り約370Mbpsは実証会場での測定結果

実証では、3.5GHz帯・3.7GHz帯・4.5GHz帯の計280MHz幅を扱う「Tri-Band Massive MIMO」にMLBを適用しました。Massive MIMOは、多数のアンテナで利用者の方向へ効率よく電波を届ける技術です。

通信が最も集中する時間帯に測定した結果、下り約370Mbps、上り約31Mbpsを確認しました。下りは動画視聴などの受信、上りは写真投稿などの送信に関わる速度です。中央値は、測定値を順に並べたときの中央の値を意味します。

この数値は、無線設備による対策とMLBを組み合わせた環境での結果です。MLBだけで得られた効果や、全国の利用者に同じ速度が出ることを示すものではありません。

利用者にはどのような関係がある?

導入が広がれば、人が集まる場所でのメッセージ送信や写真投稿、地図の読み込みなどが、混雑の影響を受けにくくなることが期待されます。ただし、個々のアプリの使い勝手を検証した結果は今回の発表では示されていません。

今回の発表は通信網側の実証で、利用者向けの新しい料金プランや申込サービスの案内ではありません。対象端末の一覧や、利用者側に必要な操作の詳細も公表されていないため、この発表だけでスマートフォンの買い替えが必要とは判断できません。

導入場所と時期の具体化に注目

ドコモは大規模施設への導入を進める方針ですが、今回の発表では、具体的な施設名や導入日程、都市部での展開範囲は示していません。

今後は、普段利用する会場や街でも対策が進むのか、さまざまな混雑環境でどの程度の改善が得られるのかが注目点です。

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