ここでは、充電器によく表記されているPDについて説明していきます。
概要
PDとは、急速充電の規格の一つです。
PDは、「power delivery」の略称で、
従来のUSBに比べ、高電力でかつ高効率な充電が可能になります。
特徴
高電力、高速充電
充電器とデバイスが通信を行うことで、デバイスが必要としている電力を正確に送ることができ、
効率よく充電することができます。
また、100W以上の充電が可能であり、従来のUSBに比べ高速な充電ができます。
電圧調整
充電器やデバイス同士が通信を行い、必要な電圧を送ることができます。
PDは、5Vから48Vと幅広い電圧を出すことができるため、多くの機器に安全な電力供給ができます。
ロールスワップ(双方向電力供給)
PDに搭載されている機能の一つで、電力供給側と受電側を切り替えることができる機能です。
これにより、双方向の充電、給電が可能になります。
バージョン
PDには、バージョンがあり、そのバージョンによってできることが違います。
バージョン | 発表年 | 出力 | その他特徴 |
PD1.0 | 2012 | 5V / 2A 12V / 5A 20V / 5A | 最大100W (20V/5A) の電力供給が可能 |
PD2.0 | 2014 | 5V / 3A 9V / 3A 15V / 3A 20V / 5A | ・ロールスワップ機能の追加 これにより供給方向を変更することが出来るようになった。 ・Type-Cコネクタを導入 ・最大100W (20V/5A) の電力供給 |
PD3.0 | 2015 | ・固定電圧 5V / 3A 9V / 3A 15V / 3A 20V / 5A ・PPS (2017年に追加) 3.3V ~ 21V / 最大5A 電圧調整ステップ: 20mV 電流調整ステップ: 50mA | ・PPS機能の追加。これにより電圧を20mVごとに調節できるようになった。 ・最大100W (20V/5A) の電力供給 ・PD通信。デバイス同士と通信を行うことで、安全で効率的な電力供給が可能になる。 |
PD3.1 | 2021 | ・SPR(標準電力範囲) 5V / 3A 9V / 3A 15V / 3A 20V / 5A ・EPR(拡張電力範囲) 28V / 5A 36V / 5A 48V / 5A ・AVS 15V ~ 48V / 最大5A 電圧調整ステップ: 100mV | ・最大240W (48V/5A)の電力供給。 ・固定電圧(EPR)が追加。 ・AVS機能が追加。 |
PD 2.0以降は、Type-Cコネクタを使用することを想定して設計されています。
そのため、基本的には、Type-Cを使用します。
PDを使用するためには、
PDを使用するには、対応した機器をそろえる必要があります。
- 充電器(アダプタ)
- 充電ケーブル
- 端末
PDの急速充電を行いたい場合は、これらがすべてPDに対応している必要があるため、注意が必要です。
まとめ
・PDは、従来の充電方法に比べ安全に効率の良い充電が可能になる。
・バージョンによってできることが違うため注意が必要。
・PDを使用するためには、充電器、ケーブル、アダプタ、すべてがPDに対応している必要がある。