情報確認日:2026年11月1日(日本時間)
細工されたSMSを受信すると、利用者が操作しなくてもAndroidの通話機能が停止する脆弱性「SMS of Death」の実証コードが公開されています。実証コードとは、不具合が実際に起きることを確認するためのプログラムです。
研究者Mark B氏は、10月29日(公開元の表記)に技術解説を公開しました。今回のニュースは問題の詳細と再現手段の公開であり、この日に不具合が発生し始めたという意味ではありません。
今回の要点
- 特殊なSMSの処理で、通話を管理するAndroidのシステム処理が異常終了します。
- メッセージの開封やリンクのタップは不要で、通話中なら緊急通報も切断される可能性があります。
- 研究者はPixelやGalaxyでの再現を報告していますが、国内の全機種で確認されたわけではありません。
- 修正コードは公開済みです。ただし、手元の端末に修正が届いているかは個別の確認が必要です。
普通の迷惑SMSとは何が違う?
今回使われるのは、端末が自動処理する「WAP Push」という仕組みのSMSです。内容を解析する際の数値の扱いに問題があり、通話関連の処理が停止します。
研究者の説明では、問題のSMSは通常の受信箱には表示されません。利用者の操作がいらない「ゼロクリック型」のため、怪しいリンクを開かないという注意だけでは、この不具合への対策になりません。
確認されているのは、機能を使えなくする「サービス妨害(DoS)」です。今回の実証は、写真やパスワードの窃取を示したものではありません。
通話の切断や、再起動後も続く不調を報告
公開された実証コードは、電話機能を管理する処理を停止させ、進行中の通話を切断するものです。研究者は、問題のSMSが端末内に残って再処理されると、異常終了を繰り返す場合があるとも説明しています。
再起動を繰り返して使いにくくなる事例も報告されています。ただし、すべてのAndroid端末が必ず停止したり、本体が物理的に壊れたりするという意味ではありません。
研究者はAndroid 12~16での再現を報告し、影響範囲をAndroid 12~17としています。実際の影響は、端末のソフトウェアや修正の適用状況によって異なります。
修正コードは公開済み、配信状況には注意
Androidの公開ソースコードでは、SMSの解析でエラーが起きても処理全体を停止させず、原因となるメッセージの記録を削除して、異常終了の繰り返しを防ぐ修正が確認できます。
研究者はAndroid 14~17向けの2026年10月更新に修正が含まれると説明しています。一方、Androidを基にしたOS「GrapheneOS」の開発元は、11月のセキュリティ情報に掲載予定の問題と説明しています。確認時点のGoogleの10月公開資料には、対応する問題の記載を確認できませんでした。
修正コードの公開と、メーカー・通信会社による端末への配信は別です。「10月の更新が入っていれば、どの端末でも対策済み」と一律には判断できません。
Android 12・13については、研究者は今回の修正提供の対象外としています。OSの更新で新しいバージョンに移行できるかも含め、メーカーのサポート状況を確認してください。
日本の利用者が確認したいこと
今回確認した公開情報では、日本向け機種別の影響一覧や、日本国内の被害状況は確認できていません。海外の検証結果を、そのまま国内モデルの結果として扱うことはできません。
- 設定アプリでソフトウェア更新を確認し、提供されている最新版を適用してください。再起動が必要な場合は完了させます。
- 「デバイス情報」などからAndroidのバージョンとセキュリティ更新日を確認し、メーカーや通信会社の更新案内と照らし合わせてください。
- 通話切断や再起動が続く場合は、この問題と決めつけず、契約先やメーカーへ相談してください。緊急時は別の電話など、利用できる連絡手段を確保してください。
買い替えや中古端末の購入を考える場合は、価格や性能に加え、セキュリティ更新の残り期間も判断材料になります。今後は国内各社の修正案内と、端末ごとの配信状況が注目点です。
